ダウ理論をわかりやすく説明します!ダウ理論の6つの原則とは?

ダウ理論,わかりやすく FX
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チャールズ・ダウを知っていますか?
この人を知らない人でも、「ダウ理論」という言葉を聞いたことがある方は多くいるかもしれません。
今回はこのダウ理論について解説したいと思います。

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チャールズ・ダウとはどんな人?

まず前段として、ダウ理論の提唱者であるチャールズ・ダウを紹介しておきましょう。
チャールズ・ダウは1851年に生まれ、ハイスクールを中退した後に新聞記者になります。
多くの相場に関する記事を執筆し、この経験を元に「ダウ理論」を構築・提唱しました。

1882年にダウ・ジョーンズを設立し、手書きの経済ニュースレターを経済関係者に配布し始めました。
これはウォール街で配布され、後のウォールストリートジャーナルとなります。

1896年にはニューヨーク証券取引所の株価動向を示す指標として、ダウ・ジョーンズ工業平均株価を掲載し始めます。
これは、今でも使用されているダウ平均株価のことを指します。

1902年に死去しましたが、その功績は大きく今もなお多くの投資家に影響を与えている、テクニカル分析の先駆者です。
このダウ氏の提唱したダウ理論について、解説していきます。

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ダウ理論とは?

チャールズ・ダウが提唱したダウ理論は、株式・仮想通貨・FXなど多くの相場分析に使用される相場理論です。
ダウ理論は大きく6つの基本原則に分かれており、その6つは以下の通りです。

1.価格 (平均株価)は全ての事象を織り込む
2.トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
3.主要なトレンドは3つの段階から形成される
4.価格は相互に確認される必要がある
5.トレンドは出来高でも確認されなければならない
6.トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

これだけではなんのことかわからないと思いますので、それぞれをわかりやすく紹介していきます。

ダウ理論・1「価格 (平均株価)は全ての事象を織り込む」

ダウ理論の1つ目の基本原則は「価格 (平均株価)は全ての事象を織り込む」です。
これだけ読むとなんだかわかるようなわからないような・・・といった内容ですね。

株価などは該当の会社のニュースに左右されます。
良いニュースであれば株価は上がり、悪いニュースでは株価が下がります。

米ドルであれば、2001年9月11日に起こった米国同時多発テロ事件が挙げられます。
この時は120円台であった米ドルが115.83円まで下がり、円高ドル安となりました。

このような全ての事件・出来事が全てチャートの値動きに反映される、というのがダウ理論の一つ目です。
この理論は、経済を良く知っておきましょう、というよりはチャートの値動きだけ追いかけていれば良い、というものが根底にあり、またテクニカル分析の大きな要素となります。

ダウ理論・2「トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される」

ダウ理論の2つ目は「トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される」です。
相場のチャートは時間軸に分けて、3種類のトレンドに分類されます。

短期トレンド:1時間~1か月程度
中期トレンド:数週間~数か月程度
長期トレンド:1年~数年間

このようになっています。
長期の中のトレンドに中期が存在しており、中期のトレンドの中に短期のトレンドが存在しています。

ここで重要なポイントは「一つの時間軸だけでトレンドを決めるのはリスクがある」ということが言えます。
短期トレンドは下降トレンドに見えても、中期トレンドで見ると上昇トレンドの中の一部の可能性も多くあります。

トレンドに逆らうトレードはリスクを伴うため、トレンドの方向に乗るトレードの方が初心者向きであり、リスクが低い取引となります。
そこで、MTF(マルチタイムフレーム)分析というトレード方法があります。
MTF分析については、また別の機会にもう少しわかりやすく深堀りして説明しようと思っています。

短期・中期・長期が全て上昇トレンドであれば、流れに逆らわずに上昇方向へのエントリーが低リスクのエントリー方法と言えます。
とはいえ、ここで定義されているのは1年~数年。
ここまで長期で見てしまうと、なかなかエントリーすることはできません。

そのため、短期・中期・長期トレンドの期間をある程度の短い期間に置き換えて考えてみることが大切です。
例えば、次のような単位になります。

短期:1分足
中期:1時間足
長期:1日足
といった単位や、もう少し短い単位にすると

短期:1分足
中期:15分足
長期:1時間足

といったような期間などが考えられます。

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短期だけを切り取ってみると下降トレンドに見えるときでも、上位足の1時間、4時間などで見てみると実は上昇トレンドであるといったことは良くあります。
1分足が上昇トレンドだからといってすぐにロング(買い)を入れず、上位足を確認してトレンドがどのようになっているか、把握することは重要なポイントです。

ダウ理論.3「主要なトレンドは3つの段階から形成される」

ダウ理論の3つ目は「主要なトレンドは3つの段階から形成される」です。
トレンドは、上昇トレンドの場合右肩上がりにチャートが形成されます。
しかし、これは大きく3つに分かれている、という内容です。

ダウ理論,わかりやすく

最初は先行期と呼びます。
この段階では、少数の大口トレーダーが動きを始めますが、動きはわずかで小口トレーダーはその動きを読めず行動は起こせない段階です。

次が追随期です。
追随期になると小口トレーダーがわずかな値動きを捉え、どんどんと買いを入れ始めます。
そのため市場が反応し、この流れに乗り価格の上昇が大きくなります。

最後が利食い期です。
この段階になると先行期で買いを行った大口トレーダーが売り抜けます。
売り抜けた結果、価格の上昇が緩やかになります。
それを察知した小口トレーダー達も買いを抑え売りに走ります。
そうしてトレンドが終了します。

先行期や追随期の初期では動きがなかなかわからないものです。
しかし、追随期の途中でも十分利益を得ることができるので、追随期の状態を理解できるようになりましょう。

ダウ理論.4「価格は相互に確認される必要がある」

ダウ理論の4つ目は「価格は相互に確認される必要がある」です。
これは株式市場などでNYダウ平均が日経平均と同じような動きをするように、価格の相関関係が見られるということになります。
FXのドル円が下落しているような時は、ユーロドルが上昇するような関係性もあり得ます。
この場合は、ドルが弱いためにこのような動きをすることがわかるでしょう。

仮想通貨でもビットコインが強い場合、他のアルトコインも引きずられて価格の上昇することが多くあります。
また、ドルが弱い時ビットコインの価格が上がるということもあり得るでしょう。
アメリカの情勢が不穏な動きを見せるときに資金がビットコインに逃げる、といったことでこのような事象が引き起こされます。

また、ビットコインとゴールドは似たような動きをするといったことが知られています。
ゴールドも資金の逃げ先になることが多くなり、そのためにビットコインと共通の動きを見せることがあります。

ダウ理論.5「トレンドは出来高でも確認されなければいけない」

ダウ理論の5つ目は「トレンドは出来高でも確認されなければいけない」」です。
トレンドが発生する際、出来高が大きくなります。
出来高が大きいということは価格が大きく変わる前兆、ということですね。

出来高が少ないのに価格の上昇・下降がある場合、いわゆる「騙し」のパターンが想定されます。
FXなどでは出来高を確認することは難しいですが、仮想通貨の場合は取引所の情報で出来高を確認することができます。
仮想通貨の出来高を確認する場合、「CoinMarketCap」などを使用することで簡単に確認することができます。

注意ポイントとして、出来高が多ければ必ず価格は上昇傾向かというと、そういうわけでもありません。
売りが大量に入った場合でも出来高は増えます。

ダウ理論.6「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」

ダウ理論の6つ目は「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」です。
トレンドはある条件があり、この条件が崩れなければトレンドは継続しているとみなされます。
トレンドの条件は次のようなことが挙げられます。

上昇トレンドの場合
・直近高値を更新している
・直近安値を下回らずに上昇している下降トレンドの場合
・直近安値を更新している
・直近高値を上回らずに下降している

わかりやすくするために、図を紹介しておきます。

ダウ理論,わかりやすく

これがダウが提唱するトレンドの条件です。
それではトレンドが転換した場合、どのような事が起こるのでしょう?

1.直近高値を更新できなかった
2.直近安値を下回ってしまった
このようなことが起こります。

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このどちらかだけが成立した場合でも、トレンドの勢いが弱まっていたりトレンドが転換する可能性がある、ということを示唆しています。
そのため、直近の高値・安値を意識してトレンドが成立しているか、確認していく必要があります。

ダウ理論ではこのトレンドの転換が重要なポイントとなります。
ぜひ覚えておいてください。

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ダウ理論を覚えてトレードに活用しよう

ダウ理論について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
なんとなくわかりましたか?
全てをいきなり覚えるのはなかなか難しいですので、まずは理解することが重要です。
理解しておけば、相場を見ていると思いだすことができます。

まずは全体を理解して、相場の分析に役立ててください。
別の機会に、ダウ理論をどのように相場に役立てるのか、を具体的に説明していきたいと思います。

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