前回はホットワインについて書きましたが、その前は焼酎のお湯割り。
今回は引き続き温かいアルコールシリーズ。
冬におすすめな「ホットカクテル」を紹介します。
アイルランド名物ホットカクテル「アイリッシュコーヒー」
ホットカクテルの王道中の王道、「アイリッシュコーヒー」を紹介します。
1940年代後半、アイルランド西海岸にあるシャノン空港のレストラン・バーのチーフバーテンダー、ジョー・シェリダンが考案したカクテル。
当時は航空機の航続距離が短く、カナダを目指す際、パリやロンドンからでさえ大西洋をダイレクトに横断できませんでした。
そのため、シャノン空港に立ち寄り給油してからカナダ東端のガンダー空港に飛んでいきました。
冬の間、給油のために機外に降ろされ、厳寒の中を空港待合室にやってくる乗客のために体を温めるカクテルを作ったといいます。
当時は飛行機客へ出されていたカクテルは、今や世界中の人を温めるカクテルになりました。
寒い夜に、よく飲まれるカクテルです。
そんなアイリッシュコーヒーの作り方はこちら。
材料:
アイリッシュ・ウイスキー 30ml
角砂糖 2個
ホットコーヒー 適量
生クリーム 適量
1.ワイングラスをお湯で温めておきます。
2.グラスに砂糖を入れ、さらに熱いコーヒーを注いだ後にウイスキーを入れます。
3.軽く混ぜたら生クリームを浮かべて完成です。
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食前酒におすすめのホットカクテル「ホットカンパリ」
イタリアのアペリティフ(食前酒)で最も有名なのがカンパリ。
1860年、ピエモンテ州のノヴァーラのガスパーレ・カンパリ氏によって作られました。
ガスパーレは若い時にトリノのバールでお酒の勉強をし、その後ミラノにて自分のバールを経営することになりました。
そこで開発されたリキュールは「オランダ風苦味酒」(ビッテル・アルーソ・ドランディア)という名前で、このバールだけで売られていましたが、1882年にカンパリ氏が亡くなった後、息子ダビデがその名を「カンパリ」に変更し、今のカンパリに繋がります。
このカンパリを使ったホットカクテルが「ホットカンパリ」です。
作り方はこちらになります。
材料:
カンパリ 40ml
はちみつ 小さじ1
熱湯 適量
レモン・ジュース 小さじ1
スライス・オレンジ 1枚
1.温めたグラスにスライスオレンジ以外の全ての材料を入れ、軽く混ぜます。
2.スライスオレンジを飾れば完成です。
ほろ苦い味が特徴のカンパリは、温めるとさらに香りが立つと共に、レモンの酸味とはちみつの甘みがカンパリの軽い苦みとマッチします。
レモンのビタミンやはちみつが優しく染みわたる、ナイトキャップにおすすめなホットカクテルとなります。
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イギリスのホットカクテル「ホットバタードラム」
イギリスで古くから飲まれてきたホットカクテルが「ホットバタードラム」。
こちらの作り方はとても簡単。
材料はこちら。
ラム酒 45ml
角砂糖 1個
熱湯 適量
バター 1片
角砂糖をグラスに入れ、少し熱湯で溶かします。
その後にラム酒を入れ熱湯を注ぎ、バターを乗せます。
お好みでシナモンスティックを入れて完成です。
バターのコクがとても出ているこのままでも十分美味しくカクテルですが、熱湯をホットミルクに変えると「ホットバタードラムカウ」というカクテルに変わります。
生クリームをトッピングすると、ぐっと贅沢なホットカクテルにもなります。
あっさりと軽くラムを温かいカクテルで飲みたい時はホットバタードラム、少し贅沢にしたいのであればホットバタードラムカウと使い分けることが出来ます。
西洋版卵酒のホットカクテル「エッグノッグ」
西洋版卵酒というべきホットカクテルが「エッグノッグ」です。
アメリカなどで広く飲まれているカクテルです。
不思議なことに、このエッグノッグはすごく好き、もしくはすごく嫌い、に分かれるそうです。
このクリスマスシーズンに定番のホットカクテルはヨーロッパが発祥で、材料に使用される卵や牛乳は下層階級の人には馴染みが薄く、貴族などによく飲まれていたようです。
ヨーロッパからアメリカに渡ると、乳製品や卵がそれほど高くなく簡単に手に入ったエッグノッグはカスタードクリームのような味で、庶民に広く知れ渡り、冬の定番ホットカクテルになりました。アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントンはオリジナルのレシピを使って作っていたとのこと。
通常の作り方はこちらです。
牛乳 150ml
卵 1個
砂糖 大さじ1
ナツメグ (パウダー) 適量
ウイスキー・ブランデー・ラムなどお好きな洋酒 30ml
1.ボウルに卵、砂糖を入れハンドミキサーでふんわりするまで泡立てます。
2.鍋に牛乳を入れ、沸騰直前まで温めます。
3.カップに1を入れ、2をゆっくりと注ぎ入れ、ナツメグをふりかけたら出来上がりです。
さらに、ジョージ・ワシントンのレシピも紹介しておきます。
材料:
・卵2~3個
・生クリーム200㎖
・牛乳200㎖
・砂糖大さじ2と1/2
・ブランデー100㎖
・ライ麦のウイスキー50㎖
・ジャマイカのラム酒50㎖
・シェリー酒25㎖
これらの材料を使い、最初に紹介した作り方に当てはめれば完成です。
お酒の量が多いですね!
寝る前にちょっと一杯、というよりは、しっかり飲みたい人向けのレシピですね。
ビールを温めて作るホットカクテル「ホットビール」
ホットビールと聞くとあまりなじみがないかもしれませんが、世界中で古くから親しまれているビールの飲み方です。
ドイツやベルギーでは体を温める飲み物としてよく飲まれています。
作り方はとても簡単。
ビール150mlをレンジを使用し500wで60秒温めます。
以上!簡単ですね。
お好みでクローブ、シナモンを入れたり、砂糖やフルーツなどを入れたりと色々アレンジが出来ます。
ビールは黒ビールをはじめとするエール系(上面発酵)ビールを選ぶのがおすすめです。
フルーツビールなども良いと思います。
チェリービールとして有名なベルビュークリークを使用して作るホットビールは特におすすめですよ。
冬は暖かいホットカクテルで楽しもう!
おすすめのホットカクテルを紹介してきましたが、気になったカクテルはありましたか?
ホットカクテルはこれ以外にもまだまだ多くあります。
ホットカルーアミルクやホットベイリーズなんていうのも、美味しいですよね。
シンプルにホットワインや焼酎のお湯割りなんてのも良いと思います。
こちらを参考にしてみてくださいね。


寒い冬、ホットカクテルでおいしい時間を楽しみましょう。
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